車の購入はどの程度個人事業主の経費に算入可能?公認会計士のKOYAMAさんに聞いてみた

個人事業主が車を購入する場合に、そもそも車の購入費用を経費にすることができるのか、もし経費にできるとすればどの程度経費に算入することができるのか、など色々と疑問点があるかと思います。
今回は、「車の購入はどの程度個人事業主の経費に算入可能なのか」というテーマで、税務に詳しい公認会計士のKOYAMAさんにインタビューさせていただきました。
ー本日はよろしくお願いいたします。
KOYAMAさん:公認会計士のKOYAMAです。こちらこそよろしくお願いします。
経費の対象になる車とは?
ーまず最初にお伺いしたいのは、そもそも個人事業主が車の購入費用を経費にすることができるのかということなのですが、いかがでしょうか?
KOYAMAさん:個人事業主が車を購入する場合に、経費にできるのは次の2ケースです。
1つ目は「車を仕事でのみ使用する場合」で、このケースではほぼ全額を経費として計上できます。
2つ目は「車を仕事とプライベートで兼用して使用する場合」で、このケースでは、仕事に使用する費用についてのみ経費として計上することができます。「仕事のために使っている費用」と「プライベートで使っている費用」に分けて、「仕事のために使っている費用」の割合の経費を計上する方法で「家事按分」と言います。
例えば、月間走行距離が100kmで、そのうち60kmが仕事で使用した走行距離の場合は、60%を経費に計上することができますし、1カ月のうち20日を仕事で使っている場合は、67%を経費に計上することができます。
このように「家事按分」によって経費として計上する場合は、具体的な数字で割合を説明できることが必要です。
絶対にしてはいけないのは、プライベートのみで使用している車の費用を経費に計上することです。これは車の費用に限らずすべての経費について言えることです。
車の購入費を経費処理する方法
ーでは、具体的に車の購入費についてはどのように経費処理すれば良いのでしょうか?
KOYAMAさん:車の購入費用は一般的に高額になりますので、「固定資産」に該当します。「固定資産」の購入費用は、購入した年度に一括して経費計上するのではなく、「法定耐用年数」の期間内に分割して経費として計上しなければなりません。
これを「原価償却」と言い、「定額法」か「定率法」によって計上する経費の金額を計算します。「定額法」を用いて毎年定額を経費として計上するのが原則ですが、届出をすることによって「定率法」で計上することもできます。
「法定耐用年数」は、新車の普通車で6年、軽自動車で4年です。中古車の場合は、すでに経過している耐用年数を差し引いた年数となります。
なお、個人事業主の中で「青色申告」をしている方が、30万円未満の車を購入した場合は、「少額減価償却資産の特例」が適用されますので、その年度に一括して経費計上できます。
また、今まで説明したのは「一括支払いで購入した場合」ですが、「ローンで購入した場合」には、毎月の返済額のうち利息分のみを経費として計上することができます。つまり、車の購入代金に当たる「元本」を経費計上することはできないということです。
カーリースやカーシェアリングなら全額経費にできる
ーなるほど。車を購入するのであれば一括支払いが良いということになりますが、現実的にはローンを利用することが多いですね。ほかに何か良い方法などありませんか?
KOYAMAさん:仕事で車が必須の個人事業主におすすめしたいのは、カーリースの利用です。カーリースであれば、毎月のリース料は全額を「支払手数料」として経費に計上することができますし、車の所有者はリース会社になり固定資産にもならないため、経費計算が非常に楽になるからです。
また、最近ではカーシェアリングを利用することもあるかもしれませんが、この場合も利用料を経費に計上することができます。
車の維持費のうち経費処理できるもの
ー車を仕事で使うと維持費などが発生しますが、これらも経費として計上できるのでしょうか?
KOYAMAさん:はい。車の維持費は「車を仕事でのみ使用する場合」は、ほぼ全額を経費計上できます。「車を仕事とプライベートで兼用して使用する場合」も先ほど説明した「家事按分」の割合に応じて経費計上することができます。
経費として計上できる費用は、自動車税、自賠責保険料、任意保険料、ガソリン代、車検費用、高速料金、駐車場代、タイヤやオイルなどの備品類などになります。それから、ローンで購入した場合の利息分も経費にできます。
確定申告の際には、税金は「租税公課」、自賠責保険料や任意保険料は「保険料」、ガソリン代や車検費用は「車両費」、高速料金や駐車場料金などは「旅費交通費」、タイヤやオイルなどは「消耗品費」、車の購入ローンの利息は「支払利息」というように、それぞれ適切な勘定科目ごとに計上してください。
KOYAMAさん:どういたしまして。ほかにも税務や確定申告などでお聞きになりたいことや疑問点などありましたら、ご説明させていただきますのでお声掛けください。
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