大型免許とは?取得条件や期間、費用、使える補助金などを解説!

大型トラックやバスを運転するには、普通免許の他に大型免許が必要です。

大型免許があると、仕事の幅が広がるので大型免許を取っておきたいと思う方も多いのではないでしょうか。

大型免許の取得は、普通免許に比べて条件や取得までの期間が異なりますので、今回は、大型免許の取得条件や期間、費用、使える補助金などを解説します。

 

大型免許で運転できるようになる車は?

大型免許を取得すると、バスやトラックなどの大型自動車(※1)と呼ばれる車を運転できるようになります。

※1・・・大型自動車とは、次の3項目のうちいずれか1つを満たした車両のことです。

大型免許を持っていれば、大型自動車だけでなく中型自動車、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車も運転することもできますが、観光バスや路線バスといった旅客運送には二種免許が必要です。

 

二種免許とは?

二種免許とは、車に客を乗せる仕事をする際に必要な免許。

タクシーや路線バス、観光バスや代行運転といった仕事をする場合は二種免許が必要です。

大型一種免許と大型二種免許は学科試験の内容が異なるので、事前にどちらが必要なのかしっかり確認しましょう。

 

大型免許と同時に取得できる免許

大型免許を取得する場合、同時に取得できる免許があり、それが「けん引免許」と「大型特殊免許」です。

 

けん引免許

自動車の後ろに750㎏以上の車を連結し、引っ張りながら運転する場合には「けん引免許」が必要です。

例えば、タンクローリー、キャンピングトレーラーなどを運転する場合に必要になります。

 

大型特殊免許

作業現場で活躍している「大型特殊自動車」という車両を運転する場合には「大型特殊免許」が必要です。

例えば、ブルドーザーやクレーン車、除雪車などが「大型特殊自動車」に当てはまります。

 

大型免許を取得するための条件は?

大型免許を取得するには普通の免許とは条件が異なります。

必要な条件を詳しく解説します。

 

年齢・経歴

普通免許、準中型免許、中型免許、大型特殊免許のいずれかを取得していること、運転経歴が通算3年以上であることが必要です。

普通免許の取得は満18歳以上であることが条件なので、大型免許に必要な年齢条件は、最低でも満21歳以上です。

 

視力(深視力検査)

大型免許は普通免許よりも視力検査が厳しくなります。

大型免許は裸眼またはメガネ・コンタクトレンズを使用して、片眼で0.5、両眼で0.8以上必要です。

普通免許では片眼で0.3、両眼で0.7以上必要なので、より厳しい条件になっていますね、、!

また、大型免許では通常の視力検査の他に「深視力検査」があります。

 

深視力検査とは?

深視力とは「遠近感・立体感・奥ゆき・動的な遠近感」などを捉える目の能力です。

普通よりも大きな車両を運転するには、遠近感をしっかり認識して運転する必要がありますので、深視力を三桿法(さんかんほう)と呼ばれる奥行知覚検査器を使って測定します。

 

横一列に並んだ3本の棒のうち、真ん中の棒が前後に動くのですが、3本が横に並んだと思った時にスイッチを押し、その誤差が平均2㎝であれば合格です。

現役のドライバーでも苦戦する方がいるので、十分目を休めてから挑みましょう。

 

聴力

そのまま、もしくは補聴器を使用して、10mの距離で90デジベルの警音器の音が聞こえる必要があります。

聴力に関しては普通免許と同じ条件です。

 

色彩識別

全ての免許で共通です。

信号機の色である「赤色・青色・黄色」の識別ができることが必要です。

 

身体障害

自動車の運転に支障を与える身体障害がないことが必要です。

 

大型免許を取得するまでの期間は?

教習所に通って大型免許を取得する場合、普通免許と同様に、合宿免許か通学免許かの2通りの方法があります。

普通免許と同様に、合宿免許か通学免許かで期間が変わります。

合宿免許を利用した場合、普通免許(MT)取得者なら最短14日間で取得できますが、すでに取得している免許の種類によっては、もっと短期間で免許を取得することができます。

逆に、AT限定の免許しか取得していない場合は、事前にAT限定解除の講習を受ける必要があるので、最短日数に3日以上追加されると考えてください。

既に取得している免許学科教習技能教習最短教習日数
普通免許(MT)1時限30時限14日~
中型8t限定(MT)なし20時限10日~
中型一種(MT)なし14時限8日~

通学免許を利用する場合は、自分のスケジュールに合わせて講習を受けるので免許取得までの期間は人によって異なります。

自分の講習を入れるペースと、上記の必要学科教習・技能教習時間を参考にしてください。

 

大型免許を取得するためにかかる費用は?補助金が使える?

大型免許を取得するためにかかる費用は、20万~35万円前後(※2)。

費用は期間と同様に、すでに持っている免許によって異なり、普通免許(MT)なら35万円前後(※2)、中型免許ならもっと安くなります。

※2・・・この価格はあくまで目安で、教習所や時期によって異なります。

大型免許を取得するまでの費用は普通免許に比べると高額となりますが、補助金を利用すれば、費用を安く抑えることができるでしょう。

次に、利用できる補助金について解説します。

 

教育訓練給付制度

免許取得のために支払った費用の一部を雇用保険から受給することができる制度で、最大、教習費用の20%(10万円まで)を負担してもらうことが出来ます。

ただし厚生労働大臣に指定された教習プランを受講する必要がありますので、通いたい教習所や講習が、教育訓練給付制度の対象なのか確認してから教習を受けるようにしましょう。

現在雇用保険に加入している、もしくは過去に雇用保険に加入していた方が対象者になりますので、

個人事業主や公務員は教育訓練給付制度の対象ではありません。

自分が制度を利用できるのか、厚生労働省「一般教育訓練給付金についてのリーフレット」をご確認ください。

 

教育訓練給付制度

個人では利用できませんが、事業主が利用できる制度として、キャリア形成促進助成金があります。

雇用する労働者に対して職業訓練などを実施した場合に、中小企業の場合なら概算で1人当たり賃金助成として2万4千円受け取ることが出来ます。

他に講習費用として15万円、合わせて17万円程度の助成金を受給することができる制度です。

 

まとめ
大型免許の取得条件や期間、費用、使える補助金などについて解説しました。大型免許があれば、トラックやバスなど運転できる車種が増えるため、選択できる職業も増えますし、新しいことにチャレンジすることも可能です。教育訓練給付制度を利用すれば教習費用を抑えることが出来るので、車を使った仕事がしたい方、運転の幅を広げたい方は大型免許の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

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